ふと立ち止まれば

走り去る時のなか,たまにはゆっくりと周りを眺めて気づいたことを徒然に

17年

震災があった直後で、何だか怖いなぁと、いう中で君に出会いました。くっきりと目を開いてパパとママの方を見ていました。君にはどんな感じで見えていたのでしょうか。喜びの中、日々は過ぎて、君がちょっとスペシャルということが分かって落ち込んで、解決策を求めて、当時はメジャーではなかったインターネットで来る日も来る日も探して、似たような子を持った家のサイトを毎日のように見ていました。薬物療法も試み、一度だけ、帰宅した時に「パパ」と言われたようで、歓喜に包まれました。が、その後、結局なんだったのか? みたいにして、停滞のまま。薬を変えて副作用が出て、焦った時もありました。そうして最後は薬では無理となり、では療育で、となって1時間以上かけて通いました。でもそれも君には合わなくて。幼稚園も、送って行って、泣きながら下駄箱に靴を入れる君を見て、胸が締め付けられるような気になりました。小学校も辛かったんだよね。頑張って行っていたんだよね。ある日を境に耳ふさぎをするようになって、学校へは行けなくなって。何があったのだろう。君にとってものすごく苦しいことがあったのだよね。でも言葉を持たない君には、その辛さを伝えることができなくて。そのまま籍はあるものの通うことはなく、卒業して。日々、これといった目標もルーティンもなく、ドライブ。何が楽しいかと思うけれど、君には変わらぬ日々が一番なんだよね、きっと。でもね、パパもママもこのままでいいのかという焦燥感があって、それで時々気持ちが不安定になって、君の不調をそのまま受け入れることができなくなって怒ってしまうんだ。決して君が嫌いでもなんでもなくて、心の奥深いところから湧き出てくる不安、焦りが押さえられない。そしてつい。いつもその後に後悔してしまうのだけど。君が笑顔で、ママも笑顔でいる時、パパは幸せを感じる。そして頑張ろうと思う。笑顔で過ごして行きたいね。今日、君の17回目の誕生日。君にはまったく関係ない、普通の日かな。でも、とりあえず、誕生日おめでとう。また、1年がんばろうね。